魚豊の「ひゃくえむ。」は「チ。」ファン必見!100m走に燃える生きざま

今回ご紹介する魚豊の「ひゃくえむ。」は、100m走という一瞬の競技に人生をかける人々の物語です。
ただのスポーツマンガだと思って読み始めると、その奥深さに驚かされるでしょう。
人生の葛藤や哲学的なテーマが絡み合い、登場人物たちの熱い生きざまが描かれるこの作品は、スポーツマンガの枠を超えて心に響くものがあります。
あなたも、この物語の熱さを感じてみませんか?

マンガ趣味歴25年以上、購読数5000冊以上の私があなたに合うマンガをご紹介します。
極力ネタバレなしで内容をレビューします。
あなたに合うマンガかどうか確認してみてください。

このマンガが合う人
  • 「チ。」のファン
    同じ作者の作品である「チ。」ほど内容が難しくなく、理解しやすい点も魅力です。
  • 人生の葛藤や哲学に興味がある人
    自分の生きざまや人生観を考えさせられます。
  • エネルギッシュで熱いストーリーが好きな人
    100m走に命を懸ける登場人物たちの熱い姿勢に心を打たれるはず。
このマンガが合わない人
  • 軽いスポーツマンガを求めている人
    単純に競技の勝敗だけを楽しみたい場合は、重すぎる内容かもしれません。
  • 明るいトーンのストーリーが好きな人
    全体的に暗く、重いテーマが多いです。
  • 若年層で哲学的なテーマが苦手な人
    物語の根底には哲学的なテーマがあり、中高生よりも、社会人や人生経験豊富な人向けの内容です。
目次

基本情報:作者、全巻数、あらすじ

基本情報

ジャンルヒューマンドラマ、スポーツ(陸上)
原作・作画魚豊
掲載誌ポケマガ
発表期間2018年 – 2019年
巻数全5巻(新装版 上下 全2巻)

あらすじ

俺はトガシ。
生まれつき足が速かった。
だから、100m走は全国1位だった。
「友達」も「居場所」も、“それ”で手に入れた。

しかし小6の秋、初めて敗北の恐怖を知った。そして同時に味わった。
本気の高揚と昂奮を──。

100mの全力疾走。
時間にすれば十数秒。
だがそこには、人生全てを懸けるだけの“熱”があった。

引用:講談社 「ひゃくえむ。」 魚豊

レビュー:おもしろい点、つまらない点

おもしろい、魅力など好評3選

〇 「チ。」ファンにもおすすめの一冊

「ひゃくえむ。」は、魚豊が描く前作「チ。」が好きな人には特におすすめです。

「チ。」が地動説という少し難解なテーマを扱っていたのに対して、「ひゃくえむ。」は100m走というもっとシンプルな題材にフォーカスしています。
それでも「チ。」同様に、登場人物たちの生きざまや哲学的な問いが根底に流れているため、内容は濃厚です。
難しすぎた「チ。」に比べると、ストーリーの理解がしやすく、それでいて深い余韻が残ります。

「チ。」が好きだけど少し難しすぎたと感じた人にとって、「ひゃくえむ。」は理想的なバランスを持った作品です。

引用:講談社 「ひゃくえむ。」 魚豊

熱さが伝わる、魂の100m走

「ひゃくえむ。」の最大の魅力は、その圧倒的な熱さにあります。
100m走というたった数秒の競技に、自分のすべてを賭ける人たちの姿が描かれ、その生きざまに心を打たれます。
努力や根性だけではなく、それぞれが抱える信念に基づいて突き進む姿には、感情移入せざるを得ません。

彼らの葛藤や苦悩を通じて、人生の意味や生きる目的について考えさせられるはず。
読み終わったときには、自分も人生を全力で走り抜けようと思わされるような、前向きなエネルギーをもらえます。

引用:講談社 「ひゃくえむ。」 魚豊

〇 読み切った後の爽快感

「ひゃくえむ。」は、読んでいる間は哲学的な問いや葛藤が続きますが、読み終わると大きな爽快感に包まれます。
これは、一度深い谷を体験してから高い山を登り切ったような感覚に近いです。

登場人物たちが自分の信念を貫き、ゴールにたどり着く姿を見届けたとき、その達成感や解放感が心に強く残ります。

引用:講談社 「ひゃくえむ。」 魚豊

つまらない、難点など不評3選

× 全体的に暗いトーンが続く

「ひゃくえむ。」はスポーツマンガでありながら、そのトーンは決して明るくはありません。

哲学的なテーマが随所に散りばめられており、登場人物たちは常に自分自身の葛藤や闇と向き合っています
読んでいる間に感じる爽快感は少なく、むしろ心が重くなるようなシーンが続きます。
しかし、それがこの作品の本質でもあり、谷が深ければ高い山を登りきったときの爽快感も格別です。

引用:講談社 「ひゃくえむ。」 魚豊

× 対象年齢が高め

「ひゃくえむ。」は単純なスポーツマンガではありません。
100m走で誰が勝つか、ライバルにどう勝つかといったストーリーの裏に、より深い生きざまや哲学的な問いが描かれています。

中高生でも楽しめる内容ではありますが、その本質をより理解し、深く共感するのは、社会人や人生経験の豊富な人たちかもしれません。
特に、仕事や人生の選択に悩んでいる人にとって、この作品は響くものが大きいでしょう。

引用:講談社 「ひゃくえむ。」 魚豊

× 読み進めるのにエネルギーが必要

「ひゃくえむ。」は、内容が重いだけでなく、登場人物たちの苦悩や葛藤が深く描かれているため、読み進めるのに少しエネルギーが必要です。

軽い気持ちで手に取ると、その重厚な内容に圧倒されることもあるでしょう。
何度も心が揺さぶられる場面があり、ストーリーの進行に合わせて感情が引き込まれていくため、一気に読み切るのが難しいと感じる人もいるかもしれません。

引用:講談社 「ひゃくえむ。」 魚豊

個人的な総評

個人的おすすめ度★★★★★

熱い、熱すぎるマンガです。
「チ。」に引き続き読んだが、相変わらずの熱さがあります。
この作者「魚豊」の作品は私に合うのでしょう。
他にも「ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ」というマンガも書いているので、そちらも読みたいと感じさせられました。

「100mだけ誰よりも速ければ、全部解決する」というセリフが出てきます。
科学的にも、その通りだと感じます。

小学校の頃、「足が速い」ことだけでヒーローです。
その自信、成功体験が全てを好転させるでしょう。

行動心理学的には、
足が速い
→ハロー効果で全体が評価される
→ピグマリオン効果で評価通りになる
と考えられます。

ハロー効果:1つの評価に引きずられてが全体の評価がゆがむ現象(英語ができると頭がいい)
ピグマリオン効果:他者から期待されると成績が向上する現象(頭がいいと思われると頭がよくなる)

でも大半の人が世界1位にはなれないので、どこかで壁にぶつかり、挫折、苦悩、葛藤することになります。
「ひゃくえむ。」には主人公だけでなく、様々な登場人物の葛藤が描かれます。
苦しいけれど、まわり道ばかりだけれど、それぞれたどり着く信念には胸が熱くなります。

自分の葛藤と重ね合わせ、胸が熱くなること間違いなしです。
単行本で全5巻、新装版では上下2巻で完結なので、気軽に手に取って体験して欲しいです。

まとめ:おすすめする人

「ひゃくえむ。」は、ただ速さを競う100m走を描くだけではなく、人生の深みを感じさせてくれる作品です。
重いテーマや哲学的な問いかけがあるため、読み進めるのには少しエネルギーが必要ですが、その分読み終わった後の爽快感は格別。
登場人物たちの信念に触れ、自分の人生をどう生きるべきか考えさせられる一冊です。
興味を持った方は、ぜひこの作品を手に取って、その熱さを実際に体感してみてください。

購読をおすすめする人
  • 「チ。」のファン
  • 人生の葛藤や哲学に興味がある人
  • エネルギッシュで熱いストーリーが好きな人

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