陰謀論にハマる主人公「ようこそ!FACT」全4巻の見どころ紹介

陰謀論、カルト宗教、ネズミ講――
あなたはこれらにどんなイメージを持っていますか?
「ようこそ!FACT(東京S区第2支部)へ」は、そんな現代社会で話題のテーマを深く掘り下げた作品です。
過去の栄光にすがりながらも人生に迷う主人公が、陰謀の渦に巻き込まれていく様子は、リアルでありながら時にユーモラス。
全4巻というコンパクトでありながら、非常に濃厚な物語となっています。
気になるその結末と主人公の成長をぜひ確かめてみませんか?

このマンガが合う人
  • 陰謀論やカルト宗教に興味がある人
    テーマが深く掘り下げられており、知識を得られる。
  • 独特なキャラクターやダメ主人公が好きな人
    ユニークな性格の主人公に共感できる。
  • 短編でしっかり完結する作品を求める人
    全4巻で無駄なくスッキリと終わる。
このマンガが合わない人
  • 熱血ストーリーを求める人
    過去作のような熱い展開は控えめ。
  • 普通の恋愛マンガを期待する人
    愛要素が中性的で期待外れに感じることも。
  • 重いテーマが苦手な人
    陰謀論やカルトなど、心理的に重い内容が多い。

マンガ趣味歴25年以上、購読数5000冊以上の私があなたに合うマンガをご紹介します。
極力ネタバレなしで内容をレビューします。
あなたに合うマンガかどうか確認してみてください。

目次

基本情報:作者、全巻数、あらすじ

基本情報

ジャンルラブコメ、ヒューマンドラマ
原作・作画魚豊
掲載誌裏少年サンデーコミックス
発表期間2023年 – 2024年
巻数全4巻

あらすじ

『チ。』の魚豊が描く、恋と陰謀ーー!!

あの人に、好きな人はいるのかなーー
あの時話していた言葉の意味ってーー
抱いた恋心が溢れるとき、世界を動かす謎に迫っていくーー!

『チ。』『ひゃくえむ。』の魚豊が描く、圧倒的新機軸、前代未聞のラブコメストーリー!!

引用:小学館 「ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ」 魚豊

レビュー:おもしろい点、つまらない点

おもしろい、魅力など好評3選

陰謀論のリアルな描写が見事

この作品の一番の魅力は、陰謀論やカルト宗教、ネズミ講といった現実社会でも問題となっているテーマを深く掘り下げて描いている点です。

主人公が次第に陰謀論にのめり込んでいく過程がリアルで、
どうして人がこのようなものに引き込まれてしまうのか
を理解しやすくなっています。

実際に知人がネズミ講にハマり、自分も勧誘された経験がある人は多いのではないでしょうか?
警鐘や学びにもなる内容で、陰謀にハマる心理の展開が非常に興味深く描かれています。

引用:小学館 「ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ」 魚豊

〇主人公の独特なキャラクター性

主人公の性格が非常にユニークで、ハマる人も多いかと思います。

子供の頃に論理的思考が評価された経験をいつまでも誇りにしており、その表彰を大人になっても部屋に飾っているシーンが印象的。
現実では成功していないがゆえに、過去の栄光にしがみつく姿が共感を呼びます。

展開される論理的思考の抜粋

「逆境」→「ピンチはチャンス」→「この経験を活かす」→「苦労しているから調子に乗らない」→「大成功!!」
「飯山さん」→「優しい」→「好き!」

都合の良い論理的思考がクセになります。

そんな主人公が、生きる実感を得られず悶々とした日々を送る中で、陰謀論にのめり込んでいってしまいます
成長するためには時には間違った方向だとしても、全力で突っ走ることも必要なのかもしれません。
そうした彼のダメさと、そこからの成長過程に引き込まれることでしょう。

引用:小学館 「ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ」 魚豊

〇 しっかりした完結とメッセージ性のある物語

全4巻という短い構成ながら、重厚なメッセージ性のある物語に仕上がっています。
読み終わった後には「自分の生き方はこれで良いのか?」と問いかけられるような哲学的な余韻が残ります。

小さな幸せを追い求めることは大切だが、それは本心から逃げていないか?
本心では大きな幸せを望んでいながら、叶わないから、小さな幸せが大切と言い聞かせているのではないか?

そんな自己啓発的な要素も含みつつ、最終話のまとめ方は非常にすっきりしており、きれいに完結しています。

引用:小学館 「ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ」 魚豊

つまらない、難点など不評3選

× 過去作品と比べると熱量が足りない

魚豊さんの過去の作品「ひゃくえむ。」や「チ。」のような熱量あふれるストーリーを期待してしまうと、少し物足りなさを感じます。

この作品も熱量はあります。
しかし陰謀論にハマってしまう主人公の熱量がすごいです。
陰謀論という一般的にはマイナスイメージなものに、熱く熱くハマってしまう。
だから熱量はあるものの、どこか共感できず、読んでいるこっちは熱くなりにくいです。

それでも決してつまらないわけではありません。
違った異質な魅力が詰まっています。
作者も「社会的にあまり受け入れられていないものに熱中する人の物語に挑戦したい」とのことでした。
是非感じてみてください。

引用:小学館 「ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ」 魚豊

× 恋愛要素が期待と異なる

「ようこそ!FACT(東京S区第2支部)へ」では恋愛要素が描かれているものの、普通の恋愛マンガとは全く違います

女性キャラクターは一般的な女性像とは異なり、どちらかというと中性的で、顔立ちも男性的。
青春のドキドキ感や甘い展開はなし。
恋愛が陰謀論の中に埋もれて感情移入しにくい。

ジャンルはラブコメと紹介されていますが、一般的なラブコメを期待する人には肩透かしを食らうでしょう。
陰謀論にハマる人を描いたヒューマンドラマと認識して読んむと良いです。

引用:小学館 「ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ」 魚豊

× 重いテーマに抵抗がある人には不向き

陰謀論やカルト宗教、ネズミ講といった重いテーマが中心に据えられているため、気軽に読める作品ではありません。
全4巻で手軽に読める一方、心理的には重く感じる部分が多く、フィクションとはいえ暗い気持ちになる場面も少なくないです。

重い話題が苦手な人や、気分転換にスカッとマンガを読みたいときには、適しません。
ずっしりと世界観に浸りたいときに読むことをおすすめします。

引用:小学館 「ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ」 魚豊

個人的な総評

個人的おすすめ度★★★★☆

おもしろかった!
おもしろかったけど、同じ作者の前作「チ。」前々作「ひゃくえむ。」と比べると少し劣るように感じました。
単品で読んだら、おすすめ度★5ですが、過去の作品の方がおすすめなので★5としました。

作者特有の相変わらずの熱量はありますが、今回は「社会的にあまり受け入れられていないもの」に熱中するため、共感ができず、読んでいてもこちらが熱くなりにくかったです。
この作者の熱さにハマり、その熱さを今作も期待して読んだため、その点だけは少し残念でした。

しかし面白いマンガことには間違いないです。
陰謀にハマる心理描写、思考回路の表現が見事で、引き込まれます。
陰謀やねずみ講、カルト宗教にハマってしまう人の気持ちが分かってきます。
勉強にもなります。

特に一番印象に残ったシーンは、陰謀に加担している人であることを確定する方法。

どうすれば陰謀に加担している人を見破れるか?
それはもろ刃の剣で危険を伴う方法
「本人に確認すること!」

え?どういうこと?

陰謀に加担している人は必ず否定する。
否定したらクロ!

いやいや、無敵論理じゃない?
肯定しても、否定しても、クロ!陰謀者認定。

でもこれを主人公は真に受けて突き進む。
どんどんハマっていく。
ただのOKサインをしている人を、数字の6を示している、と片っ端から陰謀者認定。

初めは馬鹿らしいと感じますが、癖になってきます。
どんな展開が待っているか、想像できず、読む手が止まりませんでした。
全4巻一気読み。

魚豊さんの過去作とは比較せず、陰謀論に興味がある方は読んでみて欲しいです。

まとめ:おすすめする人

「ようこそ!FACT(東京S区第2支部)へ」は、陰謀論やカルトに興味がある人にはぜひ読んでほしい作品です。
重いテーマながら、主人公の成長やユニークなキャラクター性が見どころとなっており、全4巻で無駄なくスッキリと完結する点も好評です。
気軽に手に取れる長さでありながら、内容は深く考えさせられるものがあります。
あなたも、陰謀論の世界に少し足を踏み入れてみませんか?

購読をおすすめする人
  • 陰謀論やカルト宗教に興味がある人
  • 独特なキャラクターやダメ主人公が好きな人
  • 短編でしっかり完結する作品を求める人

中古なら安く全巻そろいます

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