「金の国 水の国」レビュー｜全1巻で楽しむ優しいファンタジー

「金の国 水の国」は、まるでおとぎ話の絵本をめくるような、優しいファンタジー物語。
美女でも天才でもない、親しみやすい二人の主人公が、国同士の嘘から始まる奇妙な関係の中で、次第に愛を育みます。
映画化もされている人気作品ですが、全1巻なので短時間で気軽に楽しめます。
忙しい日々の中で、ほっこりと幸せな気持ちになれるマンガを探している方にぴったりです。

マンガ趣味歴25年以上、購読数5000冊以上の私があなたに合うマンガをご紹介します。
極力ネタバレなしで内容をレビューします。
あなたに合うマンガかどうか確認してみてください。

基本情報：作者、全巻数、あらすじ

基本情報

ジャンル	恋愛、ファンタジー
原作・作画	岩本ナオ
掲載誌	月刊flowers
発表期間	2014年 – 2016年
巻数	全1巻

あらすじ

昔々、隣り合う仲の悪い国がありました。

毎日毎日、つまらないことでいがみ合い、とうとう犬のうんこの片づけの件で戦争になってしまい慌てて仲裁に入った神様は２つの国の族長に言いました。
Ａ国は国で一番美しい娘をＢ国に嫁にやりＢ国は国で一番賢い若者をＡ国に婿にやりなさい―――

そんな中、Ａ国の姫・サーラはＢ国の青年と偶然出会い…！？

「町でうわさの天狗の子」の岩本ナオが292Ｐのボリュームで贈る、おとぎ嫁婿ものがたり。

引用：小学館　「金の国　水の国」　岩本ナオ

レビュー：おもしろい点、つまらない点

おもしろい、魅力など好評3選

〇 おとぎ話の絵本のようで、ほんわかと優しい雰囲気

「金の国」は非常に豊かだけれども、水が枯渇してきて国家存亡の危機。
「水の国」は貧しいけれども、水はたくさん。
協力すればいいのに、2国は中が悪い。

そんな中、物語は金の国「犬を夫として迎えた娘」と水の国「猫を嫁としてめとった男」が主人公です。
お互いの国が嘘をついて始まった関係が次第に愛に変わり、二つの国を救おうという壮大なストーリーに展開していきます。

それらがファンタジーの要素がふんだんに盛り込まれていて、異国情緒あふれる設定で描かれます。
優しい世界観が心を温かくし、幸せな気分になることでしょう。

引用：小学館　「金の国　水の国」　岩本ナオ

〇 親しみやすい、絶対的なヒーロー&ヒロインではない主人公

一般的なマンガでは、ヒロインもヒーローも美形や天才が多いものですが、この作品は異なります。
主人公のナランバヤルはお調子者で、特別な頭脳や才能を持っているわけではなく、ヒロインのサーラもぽっちゃりしていて国一番の美女というわけでもありません。

そのため、どこか「親しみやすい普通の人たち」として二人に感情移入しやすいです。
少しずつ距離を縮め、信頼と愛を育む様子が、きっと心に残る温かなエピソードになるでしょう。

引用：小学館　「金の国　水の国」　岩本ナオ

〇 全1巻で気軽に読めるストーリー

このマンガは全1巻で完結しているため、忙しい人でもサクッと読み切ることができます。
長編マンガを読む時間が取れない人にとって、この作品はぴったりの選択肢でしょう。

また、映画化もされていて、すでに多くのファンがいるため、人との話題にもなりやすい点が魅力です。
「ちょっとした空き時間に一冊読みたい」「何か面白いマンガを短時間で読みたい」という人におすすめです。

引用：小学館　「金の国　水の国」　岩本ナオ

つまらない、難点など不評3選

× 話が浅く、唐突に感じる部分もある

この作品は全1巻という短さゆえに、物語の進行が非常に早いです。
主人公とヒロインがお互いに惹かれ合う過程や、国同士の問題が解決する場面がスピーディーに進みます。
全10巻以上のマンガと比べると、展開が急ぎ足で、もう少し深く描写して欲しいと感じるかもしれません。
そのあたりは、気軽に読める短編マンガの魅力とトレードオフです。

短編マンガであり、絵本のようなもの、と割り切って読むことをおすすめします。

引用：小学館　「金の国　水の国」　岩本ナオ

× 名前が読みにくく、流れを止めることがある

登場キャラクターの名前は異国の設定に合わせて独特ですが、覚えにくく発音もしづらいものばかりです。

ナランバヤル
オドンチメグ
オドゥニオルドゥ
など

「ん、なんて読む？」と一瞬立ち止まりませんか？
人によっては、物語に没入しているときにスムーズに読めず、ストーリーの流れの妨げになります。

引用：小学館　「金の国　水の国」　岩本ナオ

× 絵の好みが分かれる、賛否両論のスタイル

「金の国 水の国」の絵は、独特で特徴的なタッチが魅力ですが、好き嫌いが分かれるようです。
一般的な少女マンガのイラストを好む読者には、やや異質に感じられるかもしれません。

しかし、独自のスタイルが作品全体のファンタジーな世界観に合っていますし、画力は非常に高いです。
逆にハマる人はハマるでしょう。

引用：小学館　「金の国　水の国」　岩本ナオ

個人的な総評

個人的おすすめ度★★★☆☆

すみませんが、私には合いませんでした。

一番の問題は登場人物の名前が独特過ぎる点です。
ナランバヤルの飼い猫がオドンチメグ・・・
登場する度に「ん？なんて読むんだっけ？」と何度も流れを止めさせられました。
見慣れてきてスムーズになってきた頃には、話はほぼ終わり。
その上、全1巻で話の展開が早い方なので、全く世界観に入り込めず終了しました。

同じ短編マンガで「キックバック」や「カラオケ行こ」などはおもしろいと感じたので、単に私と相性が合わなかったのでしょう。
「金の国　水の国」のような絵本みたいなマンガは、あまり好きではないのかもしれません。

しかし、設定、展開などは魅力的であり、絵も綺麗で、話もしっかりまとまっているので、質の高いマンガかと思います。
レビューサイトの評価も高く、映画化もされている作品なので、決してつまらないマンガではなく、相性の問題です。
この記事を読んで私なら合いそうだ、という方は是非読んでみてください。

まとめ：おすすめする人

「金の国 水の国」は、短い時間で心温まるストーリーを楽しめる一冊です。
親しみやすいキャラクターたちと、おとぎ話のような優しい世界観が、忙しい日常に癒しを与えてくれます。
映画化もされた話題作が全1巻、気軽に手に取れるのも大きな魅力。
ファンタジー好きな方や、心が温まる物語を求めている方には、ぜひおすすめしたい作品です。
読み終えた後のほっこり感を、ぜひあなたも味わってみてください。

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