「スラムダンク」と一味違う!「あひるの空」が描く挫折と再生のリアル

「あひるの空」は、背が低いというバスケットボールでは致命的なハンデを抱えた主人公が、圧倒的な努力で道を切り開く姿が熱く描かれる作品です。
不良たちの更生や、努力を重ねてもなお苦しむリアルな挫折の数々。
「スラムダンク」と似ている点もありますが、そのリアリティと深みは一味違います。
この長編に隠された感動と衝撃を味わってみませんか?

このマンガが合う人
  • 努力や成長をテーマにしたスポーツマンガが好きな人
    主人公の努力や成長がリアルに描かれており、スポーツの厳しさや達成感を感じられます。
  • 逆境を克服するストーリーに心を動かされる人
    バスケで致命的なハンデを持つ主人公が、努力でそのハンデを乗り越えていく姿が描かれます。
  • 物語の深さや作者の信念が伝わる作品が好きな人
    作者の強い信念やリアリティのある描写が随所に見られます。
このマンガが合わない人
  • 短い巻数でスッキリ完結する作品を好む人
    全50巻の長編です。
  • 他作品と似ている要素が気になる人
    「スラムダンク」に似ている点もあるため、オリジナリティを重視する人にはやや物足りなさがあるかもしれません。
  • 爽快な結末を求める人
    50巻で完結していますが、その後に続きが描かれ、連載が休止状態。

マンガ趣味歴25年以上、購読数5000冊以上の私があなたに合うマンガをご紹介します。
極力ネタバレなしで内容をレビューします。
あなたに合うマンガかどうか確認してみてください。

目次

基本情報:作者、全巻数、あらすじ

基本情報

ジャンルスポーツ(バスケット)
原作・作画日向武史
掲載誌週刊少年マガジン
発表期間2004年 – 2019年
巻数全50巻

あらすじ

車谷 空、15歳。
身長は149cmと低めだけど、バスケが大好き!

入学したばかりの高校でもバスケ部に入部しようと張り切るものの、そこにいたのは学校をしきる凶悪な双子とその仲間達!?
こんな部で、空はバスケを続けることができるのか?

そして、小柄な空が魅せる大きな翼とは!?

引用:講談社 「あひるの空」 日向武史

レビュー:おもしろい点、つまらない点

おもしろい、魅力など好評5選

〇 背が小さい主人公

主人公はバスケ選手として致命的とも言える「背が小さい」というハンデを持っています。

インサイドでの勝負が圧倒的に不利なため、3Pシューターとして活躍する道を選び、誰もが追随できないレベルの3P精度を圧倒的な努力で身に付けました。
その努力の末、ここぞという場面でチームのキーマンとして試合を決定づける3Pシュートをスパッと決めます。

3Pシュートだけでも格別のかっこよさがあるにもかかわらず、背が低くても努力でそのハンデを乗り越えていく主人公の姿には興奮すること間違いないでしょう。

引用:講談社 「あひるの空」 日向武史

〇不良がバスケで更生

不良がスポーツを通して更生していく物語は、いつの時代も胸が熱くなりませんか?
「あひるの空」でも不良が

し、更生していく展開があり、そういった意味で「スラムダンク」「ルーキーズ」「エンジェルボイス」と同じ王道的な魅力があります。

不良というマイナスイメージから、スポーツマンというプラスイメージへ変わる、そんな変化に心を打たれるのでしょう。
誰にでもマイナスな面はあり、プラスに変えられたらと思うことはあるはずです。
あひるの空の登場人物たちの変化に強く心を揺さぶられることでしょう。

引用:講談社 「あひるの空」 日向武史

〇 作者の熱い想い

作者の熱い想いが、単行本の表紙裏や話数の合間、巻末など随所に書き込まれており、強い信念をもって作品が描かれていることが伝わってきます。

例えば「未来」という言葉について
「未来=希望」ではなく、「未来は不確かで、希望にも絶望にもなり得る」とし、登場人物の使う「未来」という言葉を楽観的に捉えないでほしいと綴っています。

また、各キャラクターの過去や未来もすべて作り込まれていて、登場人物の背景や日常を丁寧に描きたいが、週刊連載では試合シーンを中心に展開せざるを得ないとのこと。
「THE FIRST SLAMDUNK」のように1本の映画に挿入できるような過去があるのでしょうか。
背景や日常は描かれていなくても、物語がしっかりと構成されている理由が感じ取れます。

作品全体からも作者の熱意が伝わり、心に響くものがあるでしょう。

引用:講談社 「あひるの空」 日向武史

〇 39巻で最終話が挟まれる斬新な展開

全50巻の中で、39巻に突如最終話が挟まれるという衝撃的な構成が登場します。
「あれ、読み飛ばした?」と何度も確認すると思いますが、間違っていません。

これは、作者が「奇跡の物語ではなく、挫折と再生、そして偉大なる敗戦への軌跡」を描きたかったからで、読者や関係者が物語を奇跡の物語と誤解していることに対し、出版社の反対を押し切ってまで途中で最終話を入れたのだそうです。

結末を知ってしまうことで話がつまらなくなるわけではありません。
むしろ軌跡や夢物語に逃避せず、現実に向き合って再生を描こうとする作者の意図が伝わり、作品に一層の深みが増しています

引用:講談社 「あひるの空」 日向武史

〇 非常にリアリティが高い

この作品は一部マンガらしさはあるものの、バスケットボールにおいて技術面だけでなく現実の厳しさやマイナス面までも描かれているため、非常にリアリティが高いです。

特に努力の描写が丁寧で、主人公が背が低いという致命的な弱点を超えるために重ねてきた努力がしっかりと描かれています。
さらに、途中で挫折しそのまま進めなくなる登場人物も描かれており、スポーツの厳しさをしっかりと表現しています。

スラムダンクの影響でバスケットを始める人も多いですが、厳しい現実と向き合わせてくれる「あひるの空」も読むことで、より現実的なスポーツの面を学べるでしょう。

引用:講談社 「あひるの空」 日向武史

つまらない、難点など不評3選

× 全50巻完結だが、連載が続いている

作者のコメントでは「あひるの空」は全50巻で完結していますが、大人の事情からか、その後も少しだけ続きが描かれています。
51巻という形ではなく「Part1」として発売されていますが、物語の続きであることは明白で、現在は中途半端に描かれたまま長期連載休止中です。

このため、読み終えた時に感じる爽快感が削がれ、モヤモヤ感が残ります。

すっきりとした気持ちで読み切れるように、50巻で完結したと思って読んだ方が良いです。

引用:講談社 「あひるの空」 日向武史

× スラムダンクに似ている部分がある

同じリアリティ路線のバスケットマンガなのでしょうがない部分もあるかもしれませんが、「スラムダンク」ところどころ似ています。

例えば、怪我や初心者、一度ドロップアウトした人のスタミナ不足といった点など。
細かくはネタバレになってしまうので書けないが、試合の展開までも重なる部分があります。

ただし完全な二番煎じというわけではなく、独自の展開やキャラクターで差別化もされていて、スラムダンクとは違った魅力の作品にはなっています。

引用:講談社 「あひるの空」 日向武史

× 話が長い

長くても30巻程度が読みやすいと感ませんか?
「あひるの空」は全50巻という長編である上、心理描写が多く、スポーツマンガとしては文字数が多いです。

展開に中だるみはないものの、やや長すぎると感じるのではないでしょうか。
特に時間のない社会人など1日1巻読んでも約2か月かかるので、全体的なボリューム感から途中で飽きてしまう人もいそうです。

しかし全50巻まで続き、アニメ化もされている魅力的な超大作のため、時間があるときに是非一気に読むことをおすすめします。

引用:講談社 「あひるの空」 日向武史

個人的な総評

個人的おすすめ度★★★★★

不良が出てきて、リアリティ路線のバスケマンガということで、結構「スラムダンク」と被ります。
しかし、魅力は全くスラムダンクと異なると感じました。
もし子供に読ませるなら「スラムダンク」より「あひるの空」をおすすめしたいです。

「あひるの空」をおすすめする理由は、マイナスの部分もしっかり描かれているためです。

一般的にマンガではプラスの部分が多く描かれます。
試合で勝ったり、困難を乗り越えたり、熱い友情だったり。
そりゃ誰もマイナス部分ばかり見たくはありません。
ひたすら練習している風景、挫折や人間関係の闇の部分ばかり見せられてもつまらないです。

でも現実世界はそんな甘くありません
むしろマイナスなこと、つらいことが多いのではないでしょうか?
「あひるの空」では、マンガなので一部うまくいきすぎな展開があるものの、マイナス部分もしっかり濃密に描かれます。
挫折して帰ってこない人も描かれます。
衝撃でした。

「スラムダンク」を読んで浮かれるのもいいけれど、「あひるの空」も読んで現実をもう少し見て欲しいと感じます。
そんな簡単に急に人は変われない、つらい、苦しい、でも変わろう、努力し続けようと思えてきます。
そんな魅力的なマンガです。

スラムダンクをおもしろいと感じた人なら、同じ路線のマンガなので、「あひるの空」もおすすめです。
是非読んでみてください。

でもさすがに全50巻は長かったです。
忙しい時期で気分転換に1日1巻ペースで読んでいたのですが、正直、途中飽きました。
中だるみも感じず、次の展開が気になりおもしろかったのですが、2か月近く同じマンガしか読んでいないと厳しいですね。
読むときは1日数巻ペースで読むことをおすすめします。

まとめ:おすすめする人

「あひるの空」は、スポーツマンガを超えた挫折と再生の物語です。
主人公が背の低さというハンデに向き合い努力を重ねて成長する姿、不良がスポーツを通じて変わっていく展開、努力しても全員が成功するわけではないリアルな描写も、この作品には大きな魅力が詰まっています。
さらに39巻での最終話挿入など、他のマンガにはない大胆な構成は必見。
熱いバスケシーンとともに、スポーツの現実と感動を味わいたい方におすすめです。

購読をおすすめする人
  • 努力や成長をテーマにしたスポーツマンガが好きな人
  • 逆境を克服するストーリーに心を動かされる人
  • 物語の深さや作者の信念が伝わる作品が好きな人

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