【必読】井上雄彦『リアル』のリアルな魅力3選&注意点3選

「人生において本当に大切なものとは?」
障害や挫折を抱えながら、困難に立ち向かう若者たちの成長を描く『リアル』は、深い共感と感動を与えます。
井上雄彦さんの圧倒的な画力とリアルな心理描写が融合し、バスケットボールの試合はもちろん、心の葛藤や人間関係の深みが際立つ名作です。
スポーツマンガという枠を超えた「リアル」を、ぜひ体験してみてください。

このマンガが合う人
  • 人間ドラマを深く味わいたい方
    障害や葛藤に立ち向かうキャラクターたちのリアルな感情や成長が描かれています。
  • スポーツに興味があり、心理描写も楽しみたい方
    バスケットボールのプレイシーンだけでなく、心理描写が重視されています。
  • 井上雄彦さんのファン
    井上雄彦さんの卓越した画力が際立ち、細部まで緻密に描かれたシーンの多さが魅力です。
このマンガが合わない人
  • 気軽に読めるエンタメ作品を好む方
    重厚なテーマとシリアスな展開が多いです。
  • テンポの速いストーリー展開が好きな方
    丁寧な心理描写や葛藤が中心となるため、展開はゆっくりです。
  • ダークなテーマに抵抗がある方
    障害や挫折、社会の厳しさなど重いテーマが多いです。

マンガ趣味歴25年以上、購読数5000冊以上の私があなたに合うマンガをご紹介します。
極力ネタバレなしで内容をレビューします。
あなたに合うマンガかどうか確認してみてください。

目次

基本情報:作者、全巻数、あらすじ

基本情報

ジャンルスポーツ(バスケット)
原作・作画井上雄彦
掲載誌週刊ヤングジャンプ
発表期間1999年 – (不定期連載中)
巻数既刊16巻(2024年10月時点)

あらすじ

バスケを辞めてから何もかも上手くいかなくなった男・野宮朋美。
街でナンパした山下夏美をバイクに乗せ事故り、ケガを負わせてしまう。

高校も辞めた野宮は、ある日、古ぼけた体育館で車いすの男・戸川清春と出会い1on1のバスケ勝負を挑む。
体育館でのバスケ勝負から繋がった野宮と戸川。

ひょんなことから西高バスケ部キャプテン高橋と賭けバスケ対決をすることに。
結果、賭けに勝ち西高体育館の鍵をゲットする。
その高橋がある日、トラックに轢かれてしまい…。

引用:集英社 「リアル」 井上雄彦

レビュー:おもしろい点、つまらない点

おもしろい、魅力など好評3選

〇 リアルな人間模様の描写が秀逸

 「リアル」は、障害や挫折を乗り越えようとする人々がどう生きていくかを丁寧に描いています。
キャラクターたちの感情がとてもリアルで、内面に抱えた葛藤が心に響いてきます。

彼らが苦難を乗り越える姿には共感できる部分も多く、「自分も頑張ってみよう」と思わせてくれるシーンがたくさんあります。
ページをめくるごとにどんどん感情移入してしまい、気づけば物語にどっぷり浸かってしまう、そんな体験ができる作品です。

引用:集英社 「リアル」 井上雄彦

〇バスケットボールが物語に深みを与える存在

この作品で描かれるバスケットボールは、ただの「スポーツ」ではなく、キャラクターたちの人生そのものと結びついています。
特に車椅子バスケの試合シーンでは、激しいプレイの合間に挿入される心理描写が、スポーツの魅力だけでなく、人間の本質を考えさせられる深い場面が印象的です。
チームとしての絆や葛藤が濃く描かれているから、スポーツを通しての人間関係の奥深さが伝わってきて、グッとくるものがあります。

引用:集英社 「リアル」 井上雄彦

〇 リアリティを追求した井上雄彦の画力

井上雄彦さんの繊細で迫力ある画風は、「リアル」においても際立っており、キャラクターの表情やバスケットボールの試合シーンが特に印象的です。
筋肉の動き、汗の滴り、緊張感が伝わる視線…一コマ一コマがしっかり描き込まれていて、登場人物たちの苦しみや喜びがビシビシ伝わってきます
画力の高さが、作品全体の臨場感を引き立て、バスケットボールや人間ドラマに自然とのめり込んでしまいます。

引用:集英社 「リアル」 井上雄彦

つまらない、難点など不評3選

× テーマがシリアスで、気軽には読めない

障害や心の葛藤、社会との関わりといったシリアスなテーマが中心にあり、読む際にはある程度の心構えが必要です。
辛いエピソードも頻出するので、単純な娯楽として読むには重いです。
この手の重厚なストーリーに慣れていないと、読んでいて疲れてしまうでしょう。
「もっと気軽に読めるマンガが好き」という人にとっては、このようなテーマが作品の魅力よりも負担に感じられるかもしれません。

引用:集英社 「リアル」 井上雄彦

× 物語の進行がゆっくりで、焦れったい

キャラクターたちが心の壁を乗り越えていく過程が丁寧に描かれているため、ストーリーの進行が遅いと感じる人もいるでしょう。
そのうえ、不定期連載で早くても年に1巻発売のペース、直近は数年に1巻の発売ペースです。
「もうちょっと展開が早く進んでほしいな」と思ってしまう方には、焦れったく感じるでしょう。

しかし、その分1巻1巻が重厚です。
高級フレンチコースのように、ゆっくり1つずつ楽しんでください。

引用:集英社 「リアル」 井上雄彦

× 話が多層的で、シンプルさを求める読者には難解

この作品はキャラクターごとの物語や過去のエピソードが詳細に語られるため、非常に多層的な構造になっています。
それぞれのキャラの背景が深く掘り下げられている一方で、複数の視点が交差するため、シンプルに物語を楽しみたい人にとっては少し分かりづらく感じることもあるでしょう。
感情の複雑さが作品の魅力である一方、気軽な読書を望む方には理解が難しいと感じられるかもしれません。

引用:集英社 「リアル」 井上雄彦

個人的な総評

個人的おすすめ度★★★★★

やはり期待を裏切らない「スラムダンク」井上雄彦さんのマンガ。
非常に上質なマンガとなっています。

新しい巻が出るたび『リアル』を読み終えたあとは、しばらく放心状態。
障害者バスケというテーマを使いながら、表面的な「感動」や「勇気」だけに頼らず、その奥にあるリアルな姿を描き切っていて不思議な感覚になります。
主人公である野宮、清春、高橋の三人が抱える現実があまりにもリアルに描かれていて、読んでいるうちに彼らの心に触れるような感覚が味わえます。
彼らの悩みや希望に向かう姿が、あまりにもリアルで、気づけばどんどん引き込まれていました。

井上雄彦さんの作画も本当に素晴らしくて、キャラクターたちの表情や仕草が言葉にできない感情を伝えてきます。
バスケの試合シーンもその場にいるような臨場感で、ページをめくる手が止まりませんでした。
ここまでリアルに描ける漫画家は他にいないと思います。

『リアル』を通じて、日常の一瞬の大切さや、人間の強さ、繊細さを改めて感じました。
生きることに悩むすべての人に読んでほしい作品で、何度も読み返したくなる、心に響く名作です。

「バガボンド」と同じく完結するのかは心配ですが、完結しなくても名作なので読む価値はあります。
完結しない、先が分からない、それもリアルかと思います。

まとめ:おすすめする人

『リアル』は、人生の試練や葛藤に立ち向かう勇気を与えてくれる作品です。
障害や挫折を抱えながらも、自分の道を見つけようとする若者たちの姿が描かれており、その熱意が伝わってきます。
重厚なテーマながらも、共感と感動が詰まったストーリーは、読むたびに心に残るものになるでしょう。
「リアル」を手に取り、感動を味わってみませんか?

購読をおすすめする人
  • 人間ドラマを深く味わいたい方
  • スポーツに興味があり、心理描写も楽しみたい方
  • 井上雄彦さんのファン

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